先生は辛いよ「学校への苦情連絡について」

 

教育活動は地域社会の協力により成り立っている部分が大変多く、教員の指導だけでは目の届かない部分も沢山あります。

ですので目の届かない部分に関しては、周辺住民の皆様からいただく苦情連絡が生徒への指導の助けとなることが多いのです。

本校の場合特に多いのが登下校時のマナーに関するご意見です。

登下校時には1000人近い生徒が学校最寄りの駅から移動を行う訳ですから、通学路の周辺住民の方々には混雑、騒音などにより多大なストレスを与えてしまっていることは推察できます。

また、多くの皆様が学校への連絡という手段を用いず、我慢なさっている状況の中で声を上げてくださる方も大変なストレスではないかと思います。

いただいた内容はしっかりと今後の指導に役立てていきたいと強く思う次第です。

ただ一方で困った苦情をいただく場合もございます。

多くは語ることはできませんが、特に記憶に残った苦情として10年近くが経過した今も忘れることができないエピソードを1つ

「生徒が追いかけてくる」

ある年の夏頃電話での苦情をいただいた際のお話です。

受けた内容は以下の通りです。

①「そちらの生徒さんが、3人で道幅いっぱいに広がって歩いていたので、端によって歩くよう注意をした。」

②「店に寄って買い物を済ますと、その内の1人が店の外にいた。」

③「さらに私の後ろを追いかけて付いてくる」

④「友人が住んでいるマンションの敷地内に入っても付いてくるので、怖くなって友人の家に避難した。」

⑤「注意されたくらいで追いかけてくるなんて異常だ!どんな教育をしているんだ!」

といったものでした。

幸い苦情をいただいた方が、生徒の特徴を細かく記憶していたので、生徒はすぐに特定できました。

内容が事実であれば、大変な問題ですので詳しく状況の確認を行いました。

すると生徒曰く

①「友達の2人が駅から帰るので送っていった。」

②「その際おじいさんから突然暴言を言われた。」

③「怖くなったので道を譲った。」

④「友達を送ったのちにお店から出てきたおじいさんに会った。」

⑤「前を歩いていてこっちをチラチラ見てきて怖かったが、自宅に帰るため仕方がないのでそのまま歩いた。」

⑥「自宅マンションの敷地内に入ったらおじいさんが突然大声を出して走っていった。」

つまり、追いかけられていると思っていたおじいさんは、偶然生徒の通学路を先に歩いていただけでした。

そのため、呼びだされた生徒もなぜ教員に話を聞かれているのかが理解できていない様子でした。

生徒には「道に広がって歩くなよ」と注意するのが精一杯の出来事でした。

おしまい


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